夏の海を過ごすときの必需品と言えば日焼け止め。
でも、何気なく塗っているその日焼け止め、実は海やサンゴに悪影響を及ぼしているかもしれません。
今回は、美しいサンゴ礁や海の生態系をまもるためにも、海・サンゴに優しい日焼け止めについて解説します。
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日焼け止めはサンゴによくないの?
海で遊ぶ時、強い日差しから肌を守る日焼け止め。
実は今、日焼け止めの成分がサンゴの白化現象を引き起こし、美しい自然環境を壊しているとして問題視されているのです。
調査によると、年に14,000トンもの日焼け止めが、流れて海に侵入していると言われています。
日焼け止めの中でも特に「紫外線吸収剤」として使われている
- オキシベンゾン
- オクチノキサート
がサンゴやその他の海洋生物の遺伝子を傷つける原因になるということが調査で分かってきました。
国によって成分の規制対象や範囲が異なるため、ぜひ確認してみましょう。
「紫外線吸収剤」についてこちらの記事で詳しく解説しています。
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【日焼け止めの基礎知識】紫外線吸収剤とは?紫外線を防ぐ2種類の成分について解説
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紫外線吸収剤だけじゃない?!サンゴに悪影響のある日焼け止めの成分とは?
海外の一部の地域で規制対象になっている成分は大きく分けると、
- 紫外線吸収剤
- 防腐剤
です。
紫外線吸収剤
日焼け止めには紫外線をカットするために紫外線防御成分が配合されています。
紫外線をカットする仕組みによって
- 紫外線吸収剤
- 紫外線散乱剤
の2種類に分けられます。
紫外線吸収剤にはさまざまな種類がありますが、規制対象になっているのは
- オキシベンゾン
- オクチノキサート(メトキシケイヒ酸エチルヘキシル)
- オクトクリレン※
- エンザカメン※
の4種類です。
※オクトクリレンとエンザカメンはパラオのみ規制対象
オキシベンゾン
オキシベンゾン-3によるサンゴのDNA障害性報告
オクチノキサート(メトキシケイヒ酸エチルヘキシル)
日本国内で製造販売されている多くのサンスクリーン剤に配合
安全性も高い成分
ハワイなど多くのエリアでこの2つの成分が含まれる日焼け止めの規制が始まっています。
酸化チタン、酸化亜鉛などの紫外線散乱剤は、使用しても問題ないとされています。
「紫外線吸収剤と散乱剤の違い」についてこちらの記事で詳しく解説しています。
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【日焼け止めの基礎知識】紫外線吸収剤とは?紫外線を防ぐ2種類の成分について解説
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防腐剤
パラオでは防腐剤も規制の対象になっています。
日本ではほとんどすべての化粧品に配合されるパラベンやパラベンフリーの化粧品に使用されるフェノキシエタノールも対象です。
その他の化学物質についても、現在研究が進められています。
白浮きを防ぐために使用されている極小の「ナノ粒子」についても、サンゴが吸収してしまう可能性があるため避けることが推奨されています。
海外の日焼け止めの規制
2018年に米ハワイ州が、サンゴ礁への有害性が指摘される成分を含んだ日焼け止めの販売を禁止する法案を可決したのをはじめ、ダイバーに人気のパラオでは2020年1月1日から、オキシベンゾンやオクチノキサートなど10項目の入った日焼け止めの販売・流通・持ち込み・使用を禁止する法律が施行されています。
ほかにもフロリダ・キーウエスト、オランダ領ボネール、メキシコ各地のビーチなど、該当物質を含む日焼け止めを規制する動きが次々と出てきています。
ハワイ
ハワイでは海水遊泳等によって流出した日焼け止めの成分が原因と考えられるサンゴの白化が確認されています。
このためハワイでは2021年1月1日から紫外線吸収剤である
- オキシベンゾン
- オクチノキサート(メトキシケイヒ酸エチルヘキシル)
を配合する日焼け止めの販売・流通が制限されるようになりました。
ただ、ハワイでは販売・流通が制限されているだけなので、日本から持ち込むことは可能です。
とはいえ、海への優しさを考えるなら紫外線吸収剤フリーの日焼け止めがいいですね。
ハワイの日焼け止め規制
紫外線防御成分 | 持ち込み・使用 | 販売・流通 |
オキシベンゾン | ◯ | × |
メトキシケイヒ酸 エチルヘキシル |
◯ | × |
紫外線散乱剤 |
◯ | ◯ |
パラオ
パラオでは防腐剤も規制対象になっています。
日焼け止めだけでなくすべてのスキンケア製品の販売・持込・使用が禁止され、違反すると罰金1000ドル(約11万円)。
環境への意識が非常に高いです。
パラオでの規制成分は次の10種類です。
紫外線吸収剤
・オキシベンゾン
・オクチノキサート(メトキシケイヒ酸エチルヘキシル)
・オクトクリレン
・エンザカメン
防腐剤
・トリクロサン
・メチルパラベン
・エチルパラベン
・ブチルパラベン
・ベンジルパラベン
・フェノキシエタノール
パラベンやフェノキシエタノールはほとんどすべての化粧品に入っていますからなかなか厳しいですね。
海外の日焼け止めの規制成分 まとめ
規制がある代表的な地域と規制成分は以下になります。
今後、さらに地域が増えたり、規制対象となる成分が追加される可能性もあります。
規制対象成分(販売・持ち込み・使用)
規制成分 | パラオ共和国 | 米国 ハワイ州 | オランダ領 ボネール島 |
フロリダ州 キーウェスト |
メキシコ 自然保護区域 |
|
紫外線 吸収剤 | オキシベンゾン | × | 販売× 持込・使用〇 | |||
オクチノキサート (メトキシケイヒ酸エチルヘキシル) |
× | 販売× 持込・使用〇 | ||||
オクトクリレン | × | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | |
エンザカメン | × | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | |
防腐剤 | トリクロサン | × | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
メチルパラベン | × | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | |
エチルパラベン | × | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | |
ブチルパラベン | × | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | |
ベンジルパラベン | × | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | |
フェノキシエタノール | × | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
海・サンゴに優しい日焼け止め
日焼け止めの成分は肌から海へと流れ落ち、生き物の口の中に入ってしまいます。
それはやがて私たちが海の恵みとしていただく魚介類にも入ってしまう可能性があります。
サンゴに優しい日焼け止めを選ぶことは、私たちの体にとっても良いことと言えそうです。
海・サンゴに優しい日焼け止めの選び方
海やサンゴに優しい日焼け止めを選ぶポイントは
- 規制対象成分を含まない
- ウォータープルーフ性が高い
の点を確認しましょう。
規制成分を含まないのはもちろんですが、海に入ったり汗をかいても落ちにくいかどうかもポイントです。
ウォータープルーフ性が高いものを選びましょう。
落ちにくいので、日焼け止め効果も高いというダブルのメリットがありますよ。
ハワイで使える日焼け止め
ハワイでは持ち込み・使用は禁止されていませんので、日本で買った日焼け止めを持っていって使うことができます。
紫外線吸収剤フリーの日焼け止めなら海やサンゴだけでなくお肌にも優しいですよ。
次のパラオで使える日焼け止めならより安心です。
パラオで使える日焼け止め
パラオで使う日焼け止めは注意が必要です。
規制対象となる吸収剤が多いだけでなく、防腐剤も対象になっています。
これをクリアしているのがカネボウ アリィーのビーチフレンドリー処方です。
色補正タイプや化粧下地として使えるものもありますが、海で泳ぐ時に顔・からだに使うなら透明タイプがおすすめです。
カネボウ【ALLIE】アリィー クロノビューティ ジェルUV EX
おすすめポイント
・一部の国・地域・ビーチの規制に配慮したビーチフレンドリー処方
・マスク・タオル等につきにくいフリクションプルーフ
・環境に配慮したプラスチック削減パッケージ
紫外線防御成分や防腐剤はそれぞれ以下が配合されています。
紫外線散乱剤
・酸化亜鉛
紫外線吸収剤
・エチルヘキシルトリアゾン
・ドロメトリゾールトリシロキサン
・ビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン
防腐剤
・エタノール
・BG
内容量・価格 |
90g |
耐水性 | スーパーウォータープルーフ フリクションプルーフ |
SPF | SPF50+ | 化粧下地効果 | ◯ |
PA | PA++++ | 石けんで落とせる | ◯ |
タイプ | ジェル | アレルギーテスト※1 | ◯ |
使用部位 | 顔・からだ用 | ノンコメドジェニックテスト※2 | ー |
※1 すべての方にアレルギーが起こらないわけではありません。 ※2 すべての方にニキビができないわけではありません。
海やサンゴを守るだけでなく、遮光効果も高く、私たちの肌もしっかり守ってくれます。
これからはこういった日焼け止めがスタンダードになっていくでしょう。
まとめ
私たちがこれからもずっと楽しく旅行にいけるようにするためにも、ぜひ環境に配慮した日焼け止めを選びましょう。