ニキビも乾燥も気になる時、お肌の保湿はどのようにしていますか?
保湿クリームを使いたいけれどニキビができないか心配…という方も多くいらっしゃいます。
せっかく買ったクリームがお肌に合わなくてニキビが悪化してしまったら嫌ですよね。
もしニキビができにくいクリームの見分け方がわかったら、迷わず選ぶことができます。
この記事では、ニキビができにくい保湿クリームの条件について、見分け方や選び方のポイントを、元化粧品メーカー研究員・薬剤師の筆者が徹底解説します。
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ニキビができにくい保湿クリームの3つの条件とは
油分が入っているクリームを使うとニキビができたり悪化する、というイメージがあるかもしれません。
実際にいつものお手入れにクリームを足しただけでニキビができてしまった、という経験がある方もいらっしゃいます。
きちんと保湿クリームを選べば、ニキビはできません。
さらには、ニキビができにくいお肌に整えることもできます。
ニキビができにくい保湿クリームの条件は3つあります。
ニキビができにくい保湿クリームの条件
- 原料レベル ニキビになりにくい原料
- 製品レベル クリームを使った試験
- 処方の考え方 ニキビの3つの原因に対処
この3つをクリアしている保湿クリームはニキビができにくいと言えます。
それぞれ詳しくみていきましょう。
条件1<原料レベル>ニキビになりにくい原料
まずは原料レベルでの条件です。
確認すべきポイントは2つです。
- 毛穴を詰まらせにくい
- アクネ菌の栄養源になりにくい
保湿クリームに配合される原料(成分)の中にはニキビを誘発するものがあります。
ニキビは「毛穴の詰まり」から始まります。
詰まった毛穴でニキビの原因菌である「アクネ菌(C. acnes)」が「過剰な皮脂」を栄養にして増殖します。アクネ菌が増えると、毛穴の中で炎症が起こり、ニキビが悪化してしまいます。
化粧品の成分の中にはアクネ菌の栄養源になってしまうものや、毛穴を詰まりやすくするものがあります。
このような成分が配合されているものを使うとニキビができやすくなってしまいます。
保湿クリームに配合される成分の中には、毛穴を詰まらせる「コメド」の原因になるものがあります。
表は、コメドのできやすさ・できにくさを0〜3の4段階で調べた実験結果です。
数字が大きいほどコメドができやすい=ニキビになりやすいことを表します。
原料名 | コメド誘発能 0:なし、1:軽度、2:中等度、3:強度 |
オレイン酸 | 3 |
スクアレン | 3 |
アーモンド油 | 3 |
ココナッツ油 | 2 |
スクワラン | 1 |
白色ワセリン | 0 |
シリコンオイル | 0 |
ミネラルオイル | 0 |
グリセリン | 0 |
ポリエチレングリコール200 | 0 |
プロピレングリコール | 0 |
この結果から
<コメド誘発能が高い=ニキビになりやすい成分>
植物油(オレイン酸、スクアレン、アーモンド油など)
反対に
<コメド誘発能が低い/ない=ニキビになりにくい成分>
ワセリンやミネラルオイル、ポリエチレングリコールなど
ということができます。
ちなみに毛穴を詰まらせやすい「スクアレン」は皮脂の成分ですが、化粧品に配合されるのは「スクワラン」です。
こちらはコメド形成能は低いので問題はありません。
また保湿成分として汎用されるグリセリンはアクネ菌の栄養源になりやすいことが知られています。
一方で、ジグリセリン、ポリグリセリンにはそのような性質はありません。
気になる方はグリセリンフリーのクリームを選ぶのもよいですね。
条件2<製品レベル>クリームでニキビができにくいことを確認する試験
ニキビができにくい原料を使っていることがもちろんですが、それが合わさって製品になったときにニキビにならないかどうかを確認することできます。
それが「ノンコメドジェニックテスト」という試験です。
「コメド」とはニキビのもとのことです。
すなわち「ノンコメドジェニック=ニキビのもとになりにくい」ことを示します。
これを確認する試験である「ノンコメドジェニックテスト済み」と記載のある商品を選びましょう。
「ノンコメドジェニックテスト」は、実際にヒトの背中に化粧品を繰り返し塗って、ニキビのもと(コメド)ができないことを確認する試験です。
日本皮膚科学会による「尋常性ざ瘡治療ガイドライン」においてもニキビ肌の方が使う化粧品は「ノンコメドジェニック」であることが推奨されています。
この試験をクリアした保湿クリームには、パッケージなどに
「ノンコメドジェニックテスト済み」
「ニキビの元になりにくい処方」
といった記載がありますので、確認してみましょう。
※すべての方に、ニキビができないわけではありません。
条件3<処方の考え方>ニキビの3つの原因に対処
ニキビの原因は「毛穴の詰まり」「アクネ菌」「過剰な皮脂」の3つ。
つまり裏を返すと、この3つの因子への対策をおこなえば、ニキビを防ぐことができます。
おすすめの成分をご紹介します。
毛穴の詰まり対策
角層を柔らかくして、毛穴の詰まりを取り除くピーリング作用を持つ成分として、A H AやB H Aがおすすめです。
B H Aの1つであるサリチル酸はアクネ菌に対する殺菌作用もあり、医薬部外品の有効成分としても配合されます。
毛穴の詰まり対策におすすめの成分
- グリコール酸、乳酸(AHA;α-ヒドロキシ酸、フルーツ酸)
- サリチル酸(BHA;β-ヒドロキシ酸)
アクネ菌対策
有効成分として殺菌成分や抗菌成分が配合されているものを選びましょう。
おすすめの殺菌・抗菌成分
- イソプロピルメチルフェノール
- サリチル酸(BHA;β-ヒドロキシ酸)
- 感光素201号
またアクネ菌による炎症を抑える抗炎症成分もチェックしておきましょう。
おすすめの抗炎症成分
- グリチルリチン酸2K
- グリチルレチン酸ステアリル
- アラントイン
- トラネキサム酸
過剰な皮脂対策
皮脂分泌を抑えるビタミンB類がおすすめです。
塩酸ピリドキシンは医薬部外品の有効成分としても使われます。
おすすめの成分
- ビタミンB6誘導体(塩酸ピリドキシン)
- ビタミンB2(リボフラビン)
にきび肌の保湿クリームにおすすめの成分
保湿クリームにはニキビや肌荒れを防ぐ有効成分をはじめとして、さまざまな保湿成分や美容成分が厳選して配合されています。
お肌にうるおいを与える | アミノ酸(ベタイン) ヒアルロン酸 |
お肌にうるおいを閉じ込める | スクワラン セラミド3 |
炎症をおさえる | グリチルレチン酸ステアリル グリチルリチン酸2K アラントイン トラネキサム酸 |
皮脂分泌をおさえる | ビタミンB2(リボフラビン) ビタミンB6誘導体(塩酸ピリドキシン) |
抗酸化作用 | ビタミンE ビタミンC・E誘導体 |
ピーリング作用 お肌をやわらかくなめらかにととのえる 毛穴の詰まりをとる | グリコール酸(AHA) 乳酸(AHA) サリチル酸(B H A) レチノール |
美白作用 しみ・そばかすを防ぐ ニキビ跡の色素沈着の予防に | ビタミンC誘導体 (L-アスコルビン酸 2-グルコシド) トラネキサム酸 |
ピーリング:肌表面の古い角質を洗い流す
保湿クリームでニキビができる3つの原因
秋から冬にかけてニキビ肌でも肌の乾燥は気になるもの。
またニキビ治療のお薬は肌の乾燥を伴うものもあります。
化粧水やジェルだけでは物足りないこともあるでしょう。
でも保湿クリームを使ったらニキビができてしまったという経験はありませんか?
これから使おうと思ってるけれど、もしニキビが悪化してしまったら心配…と不安に思う方もいらっしゃるかも知れません。
保湿クリームでニキビができてしまったり、悪化してしまうイメージがありますが、実際はどうなのでしょうか?
実は、保湿クリームでニキビができてしまうのは本当です。
その原因は3つあります。
保湿クリームでニキビができる3つの原因
- ニキビになりやすい保湿クリームを使っている
- 使い方が間違っている
- 保湿クリーム以外に原因がある
これまで保湿クリームでニキビができた経験がある方は、これらが原因かもしれません。
でもニキビ肌に合った保湿クリームを選び、正しく使えば大丈夫。
ニキビを悪化させることはありません。
それだけでなく、きちんと保湿することでニキビができにくいお肌にととのえることもできるのです。
それぞれの原因を詳しくみていきましょう。
原因1 ニキビになりやすい保湿クリームを使っている
1つ目の原因として、使う保湿クリームそのものがニキビの原因になっていることがあります。
先に述べたように、ニキビができる原因には、
- 毛穴の詰まり
- アクネ菌
- 過剰な皮脂
の3つの因子が関わっています。
これらに影響を及ぼすクリームを使うとニキビができやすくなります。
原因2 使い方が間違っている
お肌に合った保湿クリームを選んでいても、使い方が間違っているとニキビを悪化させてしまうことがあります。
こんなスキンケアはN G!
- 使う量が少ない
- 洗顔後すぐに保湿していない
- 一日3回以上洗顔している
- 塗るときは肌にすりこむようにしている
間違った使い方はお肌の乾燥につながるだけでなく、ニキビをつぶしてしまったり悪化の原因になります。
ニキビが悪化するとニキビ跡になりやすくなります。
ニキビ跡は治すことができません。
ニキビができないよう日頃から心がけることが大切です。
原因3 保湿クリーム以外に原因がある
保湿クリームの選び方や使い方が間違っていないのに、ニキビが治らないという場合は、それ以外に原因があるのかも知れません。
- 紫外線対策をしていない
- クレンジングでメイクがきちんと落とせていない
- 気づいていない癖がある
など思い当たるものはありませんか?
髪の毛があたりやすい髪型、頬杖をつく癖がある、枕カバーをあまり変えないなど、気づかないうちにニキビの原因を作ってしまっているかも知れません。
生活習慣などを見直してみるものよいでしょう。
ニキビ肌でも保湿クリームを使った方がいい?
乾燥はニキビが悪化する原因になる
皮脂やべたつきが気になる思春期ニキビ、お肌が乾燥しやすい大人ニキビ。
どのようなニキビ肌の方でも保湿はとても大切です。
保湿が充分でないとお肌が乾燥し、ターンオーバーが乱れます。
そうすると角層が厚くなって古い角質が毛穴を塞いでしまい、ニキビの原因になってしまうのです。
適度な保湿をすることでお肌がととのい、過剰な皮脂分泌もコントロールされます。
保湿アイテムには化粧水や保湿ジェル、乳液やクリームなどがありますが、それぞれ保湿の役割に特長があるため、組み合わせて使うことで保湿効果が高まります。
皮脂やテカリが気になる時は化粧水やジェルだけで済ませてしまう方もいらっしゃるかもしれません。
でも、化粧水はお肌に水分を補給してくれますが、化粧水だけではせっかく与えた水分が徐々に蒸発してしまい、お肌はまた乾燥してしまいます。
化粧水のあとは油分の入った保湿クリームを重ねて使うことでうるおいを保ち、美しいお肌を目指しましょう。
ニキビ治療中は積極的に使いましょう
ニキビ治療で処方される塗り薬の中にはお肌の乾燥を引き起こすものもあります。
またアダパレンを使うと最初は肌が乾燥しやすくなります。
ヒリヒリ感が出る場合もありますが、きちんとお薬を塗れている証拠です。
ニキビ肌向けの保湿剤で優しく保湿をして、できるだけお薬を続けるようにしましょう。
ニキビ治療で処方される塗り薬の中には、肌が乾燥しやすくなったり、刺激感を感じやすくなるものがあります。
最初の数週間と言われていますが、その乾燥感や皮膚刺激感が原因で、薬を続けることができなくなってしまうことも。
でもそれはきちんとお薬が塗れている証拠とも言えます。
そこでやめてしまうと、せっかく頑張ったニキビ治療は振り出しに。
そのような副作用とうまく付き合うためにスキンケアを取り入れましょう。
特に保湿をすることで乾燥感や刺激感が軽減され、継続しやすくなるとも言われています。
使うスキンケア製品は必ずノンコメドジェニックテスト済みであることを確認しましょう。
ニキビ治療と併用できることを確認しているスキンケア商品も出ています。
保湿クリームの使い方 3つのポイント
せっかくニキビ肌に合った保湿クリームを選んでも、使い方が間違っていると保湿効果が充分に得られなかったり、ニキビをつぶしてしまったりとニキビの悪化につながることもあります。
スキンケアでは使用方法が最も大切です。
ニキビ肌だからといって洗浄力の高い洗顔料で過剰に皮脂をとりすぎたり、こすってニキビをつぶし物理的な刺激を与えたり、しっかり保湿をおこなわなかったりすると、さらに皮膚のバリア機能低下の原因となってしまいます。
まずはお肌に負担をかけないスキンケアで皮膚のバリア機能をおぎない、ニキビになりにくい肌環境をととのえることが大切です。
3つのポイントに気をつけて、正しいお手入れをしましょう。
保湿クリームの使い方 3つのポイント
- 洗顔後はすぐに保湿
- 適量はパール粒1個分(直径7mmくらい)
- こすらず手のひらでやさしく
洗顔後はすぐに保湿
洗顔後5分程度でお肌の水分は減少し、洗顔前よりも乾燥します。洗顔後はすぐに保湿しましょう。
化粧水だけではお肌から水分が蒸発してしまいますので、化粧水の後に乳液を重ねてお肌に水分を閉じ込めることが大切です。
洗顔後はお肌にうるおいを与えましょう。
油分の入った化粧品はにきびの原因になるかもしれないと、乳液や保湿クリームを使うことに不安がある方もいらっしゃるかもしれません。
化粧水のみの保湿ではお肌のうるおいを充分に保つことができないため、お肌はすぐに乾燥してしまいます。
お肌が乾燥するとターンオーバーが乱れ、古い角質がたまりやすくなり、毛穴がつまる原因にもなります。
適度な保湿をすることで肌質がよくなり、過剰な皮脂もコントロールされます。
にきび肌に適した化粧水、乳液やクリームを使ってお肌にしっかりとうるおいを与えましょう。
適量はパール粒1個分(直径7mmくらい)
保湿クリームの使用量の目安は直径7mmくらいのパール粒1個分です。
べたつきが気になるからと使用量を控えるとお肌のうるおいを保つ効果が充分に得られませんので、適量を使いましょう。
こすらず手のひらでやさしく
こするように塗ると、ニキビをつぶしてしまったり、摩擦がお肌への刺激になります。
清潔な手のひらに保湿クリームをとり、顔の5ヵ所(額、左右の頬、鼻、顎)において、手でおさえるようにしてやさしくお肌になじませましょう。
オイルフリーの方がいいの?
保湿クリームでニキビができるのではないかと考えてしまう理由のひとつに、化粧品に配合される油分(油性成分)があるのではないでしょうか。
アクネケアのスキンケアには油分が入っていないジェルなどのオイルフリーのものがあります。
オイルフリーであることは、アクネ菌の栄養源になる油分が配合されていないため、ニキビ肌の方は選ぶときの参考にするとよいでしょう。
一方で、オイルフリーでないからといって、ニキビ肌の方に適さないわけではありません。
油分(油性成分)にはお肌からの水分の蒸発を防ぐ大切な役割があります。
ジェルはさっぱりとした使用感で気持ちがよいですが、水分の蒸発を防ぐ効果が弱く、保湿力は物足りません。
乾燥も気になるニキビ肌の方は「オイルフリー」にこだわらなくても大丈夫です。
ノンコメドジェニックテスト済みと記載があるものは、ニキビができにくいことを確認していますので、ニキビ肌の方は選ぶときの参考にしましょう。
さらに、ニキビ肌用に開発された化粧品のなかにはアクネ菌の栄養源にならない油性成分や保湿成分を選択しているものもあります。
ただし、どんな化粧品も必ずニキビができないとは言い切れません。
まずはサンプルやテスター、トライアルセットなどでお肌に合うかどうかを試してから使いはじめましょう。
お肌に合ったスキンケア化粧品を選んだら、正しいスキンケア方法をおこなって、ニキビができにくい肌環境にととのえていきましょう。
ニキビを防ぐ薬用(医薬部外品)を選んだ方が良い?
保湿という目的だけであれば、「ノンコメドジェニックテスト済み」のものを選んでいればよいでしょう。
ただし、ニキビを防ぐ効果は薬用(医薬部外品)にしか認められていません。
ノンコメドジェニックテスト済みのものだけでもニキビはできにくいと言えますが、今できているニキビに対処するなら薬用(医薬部外品)がおすすめです。
にきび肌向けに開発された保湿クリームは、「にきび肌用」「アクネケア」という名前がついていることが多いです。
ニキビ肌用の薬用保湿クリームには、前述のようなニキビの原因を考えた成分が医薬部外品の有効成分として配合され、ニキビを防いでくれます。
次のような成分が有効成分として配合されます。
- サリチル酸
- アラントイン
- グリチルリチン酸2Kまたはグリチルレチン酸ステアリル
- イソプロピルメチルフェノール
有効成分をそれぞれ見てみましょう。
サリチル酸
殺菌作用だけでなく、角層を柔らかくするピーリング効果があるので、毛穴の詰まりも予防してくれます。
アラントイン
ニキビの炎症を抑えるのでニキビの悪化を予防し、ニキビ跡になりにくくしてくれます。
イソプロピルメチルフェノール
殺菌作用があり、ニキビの原因菌対策になります。
ビタミンB6誘導体(塩酸ピリドキシン)
皮脂分泌抑制作用があります。
まとめ
ニキビができにくい保湿クリームの条件は
- <原料レベル>ニキビになりにくい原料
- <製品レベル>クリームを使った試験
- <処方の考え方>ニキビの3つの原因に対処
の3つです。
ニキビができにくいクリームをきちんと選んでニキビができにくい肌環境にととのえましょう。