保湿クリームを使ってニキビができてしまった、そんな経験ありませんか?
実は使う保湿クリームによってはニキビを悪化させてしまうことがあるのは本当です。
この記事では保湿クリームでニキビができてしまう原因やその対策、ニキビを悪化させない保湿クリームの選び方について、元化粧品メーカー研究員・薬剤師の筆者が徹底解説します。
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保湿クリームでニキビができる3つの原因
秋から冬にかけてニキビ肌でも肌の乾燥は気になるもの。
またニキビ治療のお薬は肌の乾燥を伴うものもあります。
化粧水やジェルだけでは物足りないこともあるでしょう。
でも保湿クリームを使ったらニキビができてしまったという経験はありませんか?
これから使おうと思ってるけれど、もしニキビが悪化してしまったら心配…と不安に思う方もいらっしゃるかも知れません。
保湿クリームでニキビができてしまったり、悪化してしまうイメージがありますが、実際はどうなのでしょうか?
実は、保湿クリームでニキビができてしまうのは本当です。
その原因は3つあります。
保湿クリームでニキビができる3つの原因
- ニキビになりやすい保湿クリームを使っている
- 使い方が間違っている
- 保湿クリーム以外に原因がある
これまで保湿クリームでニキビができた経験がある方は、これらが原因かもしれません。
でもニキビ肌に合った保湿クリームを選び、正しく使えば大丈夫。
ニキビを悪化させることはありません。
それだけでなく、きちんと保湿することでニキビができにくいお肌にととのえることもできるのです。
それぞれの原因を詳しくみていきましょう。
原因1 ニキビになりやすい保湿クリームを使っている
1つめの原因として、使う保湿アイテムそのものがニキビの原因になっていることがあります。
背中ニキビができる原因には、
- 毛穴の詰まり
- アクネ菌
- 過剰な皮脂
の3つの因子が関わっています。
ニキビの原因となる3大因子
ニキビは「毛穴の詰まり」から始まります。
詰まった毛穴でニキビの原因菌である「アクネ菌(C. acnes)」が「過剰な皮脂」を栄養にして増殖します。
アクネ菌が増えると、毛穴の中で炎症が起こり、ニキビが悪化してしまいます。
使う保湿クリームがこれらの3つの因子に影響を与えてしまうと、ニキビの悪化につながります。
例えば、化粧品の成分の中にはアクネ菌の栄養源になってしまうものや、毛穴を詰まりやすくするものがあります。
このような成分が配合されているものを使うとニキビができやすくなってしまいます。
毛穴を詰まらせやすい成分としてはオレイン酸やアーモンド油などが有名です。
また保湿成分として汎用されるグリセリンはアクネ菌の栄養源になりやすいことが知られています。
ニキビの原因について詳しくはこちら↓で紹介しています。
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ニキビの3大因子とは?ニキビの原因・種類・対策を解説
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原因2 使い方が間違っている
お肌に合った保湿クリームを選んでいても、使い方が間違っているとニキビを悪化させてしまうことがあります。
こんなスキンケアはN G!
- 使う量が少ない
- 洗顔後すぐに保湿していない
- 一日3回以上洗顔している
- 塗るときは肌にすりこむようにしている
間違った使い方はお肌の乾燥につながるだけでなく、ニキビをつぶしてしまったり悪化の原因になります。
ニキビが悪化するとニキビ跡になりやすくなります。
ニキビ跡は治すことができません。
ニキビができないよう日頃から心がけることが大切です。
原因3 保湿クリーム以外に原因がある
保湿クリームの選び方や使い方が間違っていないのに、ニキビが治らないという場合は、それ以外に原因があるのかも知れません。
- 紫外線対策をしていない
- クレンジングでメイクがきちんと落とせていない
- 気づいていない癖がある
など思い当たるものはありませんか?
髪の毛があたりやすい髪型、頬杖をつく癖がある、枕カバーをあまり変えないなど、気づかないうちにニキビの原因を作ってしまっているかも知れません。
生活習慣などを見直してみるものよいでしょう。
ニキビ肌でも保湿クリームを使った方がいい?
乾燥はニキビが悪化する原因になる
皮脂やべたつきが気になる思春期ニキビ、お肌が乾燥しやすい大人ニキビ。
どのようなニキビ肌の方でも保湿はとても大切です。
保湿が充分でないとお肌が乾燥し、ターンオーバーが乱れます。
そうすると角層が厚くなって古い角質が毛穴を塞いでしまい、ニキビの原因になってしまうのです。
適度な保湿をすることでお肌がととのい、過剰な皮脂分泌もコントロールされます。
保湿アイテムには化粧水や保湿ジェル、乳液やクリームなどがありますが、それぞれ保湿の役割に特長があるため、組み合わせて使うことで保湿効果が高まります。
皮脂やテカリが気になる時は化粧水やジェルだけで済ませてしまう方もいらっしゃるかもしれません。
でも、化粧水はお肌に水分を補給してくれますが、化粧水だけではせっかく与えた水分が徐々に蒸発してしまい、お肌はまた乾燥してしまいます。
化粧水のあとは油分の入った保湿クリームを重ねて使うことでうるおいを保ち、美しいお肌を目指しましょう。
ニキビ治療中は積極的に使いましょう
ニキビ治療で処方される塗り薬の中にはお肌の乾燥を引き起こすものもあります。
またアダパレンを使うと最初は肌が乾燥しやすくなります。
ヒリヒリ感が出る場合もありますが、きちんとお薬を塗れている証拠です。
ニキビ肌向けの保湿剤で優しく保湿をして、できるだけお薬を続けるようにしましょう。
ニキビ治療で処方される塗り薬の中には、肌が乾燥しやすくなったり、刺激感を感じやすくなるものがあります。最初の数週間と言われていますが、その乾燥感や皮膚刺激感が原因で、薬を続けることができなくなってしまうことも。
でもそれはきちんとお薬が塗れている証拠とも言えます。
そこでやめてしまうと、せっかく頑張ったニキビ治療は振り出しに。そのような副作用とうまく付き合うためにスキンケアを取り入れましょう。
特に保湿をすることで乾燥感や刺激感が軽減され、継続しやすくなるとも言われています。
使うスキンケア製品は必ずノンコメドジェニックテスト済みであることを確認しましょう。
ニキビ治療と併用できることを確認しているスキンケア商品も出ています。
ニキビ治療中のスキンケアについて詳しくはこちら↓で紹介しています。
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大人ニキビが全然治らない時の5つのチェックポイント
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ニキビができにくい保湿クリームの選び方 3つのポイント
ニキビができにくい保湿クリームの選び方のポイントをご紹介します。
次の3つのポイントに気をつけて選びましょう。
- ニキビの元になりにくいノンコメドジェニックテスト済み
- ニキビの3つの原因に対処できる
- ニキビを防ぐ医薬部外品
※すべての方に、にきびができないわけではありません。
思春期ニキビにおすすめ保湿クリームについて詳しくはこちら↓で紹介しています。
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10代・思春期ニキビの保湿クリーム|プチプラと機能性で市販ならコレ!-高校生・中学生-
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ポイント1 ニキビの元になりにくいノンコメドジェニックテスト済み
使う保湿アイテムそのものがニキビの原因になっていることがあります。
背中ニキビケアのポイントはニキビのもとになりにくいノンコメドジェニックな化粧品を使うこと。
「コメド」とはニキビのもとのことです。
すなわち「ノンコメドジェニック=ニキビのもとになりにくい」ことを示します。
これを確認する試験である「ノンコメドジェニックテスト済み」と記載のある商品を選びましょう。
「ノンコメドジェニックテスト」は、実際にヒトの背中に化粧品を繰り返し塗って、ニキビのもと(コメド)ができないことを確認する試験です。
日本皮膚科学会による「尋常性ざ瘡治療ガイドライン」においてもニキビ肌の方が使う化粧品は「ノンコメドジェニック」であることが推奨されています。
ニキビが気になるときは「ノンコメドジェニックテスト済み」の化粧品を選びましょう。
ノンコメドジェニックテスト済みの保湿クリームについて詳しくはこちら↓で紹介しています。
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10代・思春期ニキビの保湿クリーム|プチプラと機能性で市販ならコレ!-高校生・中学生-
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ポイント2 ニキビの3つの原因に対処できる
ニキビの原因は「毛穴の詰まり」「アクネ菌」「過剰な皮脂」の3つ。
つまり裏を返すと、この3つの因子への対策をおこなえば、ニキビの悪化を防ぐことができます。
おすすめの成分をご紹介します。
毛穴の詰まり対策
角層を柔らかくして、毛穴の詰まりを取り除くピーリング作用を持つ成分として、A H AやB H Aがおすすめです。
B H Aの1つであるサリチル酸はアクネ菌に対する殺菌作用もあり、医薬部外品の有効成分としても配合されます。
おすすめの成分
- グリコール酸、乳酸(AHA;α-ヒドロキシ酸、フルーツ酸)
- サリチル酸(BHA;β-ヒドロキシ酸)
アクネ菌対策
有効成分として殺菌成分や抗菌成分が配合されているものを選びましょう。
おすすめの殺菌・抗菌成分
- イソプロピルメチルフェノール
- サリチル酸(BHA;β-ヒドロキシ酸)
- 感光素201号
またアクネ菌による炎症を抑える抗炎症成分もチェックしておきましょう。
おすすめの抗炎症成分
- グリチルリチン酸2K
- グリチルレチン酸ステアリル
- アラントイン
- トラネキサム酸
過剰な皮脂対策
皮脂分泌を抑えるビタミンB類がおすすめです。
塩酸ピリドキシンは医薬部外品の有効成分としても使われます。
おすすめの成分
- ビタミンB6誘導体(塩酸ピリドキシン)
- ビタミンB2(リボフラビン)
パッケージの全成分表示を確認してみましょう。
ニキビの原因について詳しくはこちら↓で紹介しています。
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ニキビの3大因子とは?ニキビの原因・種類・対策を解説
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ポイント3 ニキビを防ぐ薬用(医薬部外品)であること
ニキビを防ぐ効果は薬用(医薬部外品)にしか認められていません。
ノンコメドジェニックテスト済みのものだけでもニキビはできにくいと言えますが、今できているニキビに対処するなら薬用(医薬部外品)がおすすめです。
にきび肌向けに開発された保湿クリームは、「にきび肌用」「アクネケア」という名前がついていることが多いです。
ニキビ肌用の薬用保湿クリームには、前述のようなニキビの原因を考えた成分が医薬部外品の有効成分として配合され、ニキビを防いでくれます。
次のような成分が有効成分として配合されます。
- サリチル酸
- アラントイン
- グリチルリチン酸2Kまたはグリチルレチン酸ステアリル
- イソプロピルメチルフェノール
有効成分をそれぞれ見てみましょう。
サリチル酸
殺菌作用だけでなく、角層を柔らかくするピーリング効果があるので、毛穴の詰まりも予防してくれます。
アラントイン
ニキビの炎症を抑えるのでニキビの悪化を予防し、ニキビ跡になりにくくしてくれます。
イソプロピルメチルフェノール
殺菌作用があり、ニキビの原因菌対策になります。
ビタミンB6誘導体(塩酸ピリドキシン)
皮脂分泌抑制作用があります。
ニキビ肌におすすめの成分
保湿クリームにはニキビや肌荒れを防ぐ有効成分をはじめとして、さまざまな保湿成分や美容成分が厳選して配合されています。
思春期ニキビでは皮脂分泌を抑えるビタミンBや炎症の赤みを抑える抗炎症成分を選びましょう。
大人ニキビでは、乾燥、毛穴の黒ずみ、シミ、ニキビ跡など、ニキビ以外の肌悩みも気になりやすくなっています。A H AやB H Aなどピーリング作用のある成分やニキビ跡の色素沈着対策として美白作用のある成分を選ぶがおすすめです。
パッケージの全成分表示を確認してみましょう。
にきび肌におすすめの成分
お肌にうるおいを与える | アミノ酸(ベタイン) ヒアルロン酸 |
お肌にうるおいを閉じ込める | スクワラン セラミド3 |
炎症をおさえる | グリチルレチン酸ステアリル グリチルリチン酸2K アラントイン トラネキサム酸 |
皮脂分泌をおさえる | ビタミンB2(リボフラビン) ビタミンB6誘導体(塩酸ピリドキシン) |
抗酸化作用 | ビタミンE ビタミンC・E誘導体 |
ピーリング作用 お肌をやわらかくなめらかにととのえる 毛穴の詰まりをとる | グリコール酸 乳酸(AHA;α-ヒドロキシ酸、フルーツ酸) サリチル酸(B H A) レチノール |
美白作用 しみ・そばかすを防ぐ ニキビ跡の色素沈着の予防に | ビタミンC誘導体(L-アスコルビン酸 2-グルコシド) トラネキサム酸 |
ピーリング:肌表面の古い角質を洗い流す
保湿クリームの使い方 3つのポイント
せっかくニキビ肌に合った保湿クリームを選んでも、使い方が間違っていると保湿効果が充分に得られなかったり、ニキビをつぶしてしまったりとニキビの悪化につながることもあります。
スキンケアでは使用方法が最も大切です。
ニキビ肌だからといって洗浄力の高い洗顔料で過剰に皮脂をとりすぎたり、こすってニキビをつぶし物理的な刺激を与えたり、しっかり保湿をおこなわなかったりすると、さらに皮膚のバリア機能低下の原因となってしまいます。
まずはお肌に負担をかけないスキンケアで皮膚のバリア機能をおぎない、ニキビになりにくい肌環境をととのえることが大切です。
3つのポイントに気をつけて、正しいお手入れをしましょう。
保湿クリームの使い方 3つのポイント
- 洗顔後はすぐに保湿
- 適量はパール粒1個分(直径7mmくらい)
- こすらず手のひらでやさしく
洗顔後はすぐに保湿
洗顔後5分程度でお肌の水分は減少し、洗顔前よりも乾燥します。洗顔後はすぐに保湿しましょう。
化粧水だけではお肌から水分が蒸発してしまいますので、化粧水の後に乳液を重ねてお肌に水分を閉じ込めることが大切です。
洗顔後はお肌にうるおいを与えましょう。
油分の入った化粧品はにきびの原因になるかもしれないと、乳液や保湿クリームを使うことに不安がある方もいらっしゃるかもしれません。
化粧水のみの保湿ではお肌のうるおいを充分に保つことができないため、お肌はすぐに乾燥してしまいます。
お肌が乾燥するとターンオーバーが乱れ、古い角質がたまりやすくなり、毛穴がつまる原因にもなります。
適度な保湿をすることで肌質がよくなり、過剰な皮脂もコントロールされます。
にきび肌に適した化粧水、乳液やクリームを使ってお肌にしっかりとうるおいを与えましょう。
適量はパール粒1個分(直径7mmくらい)
保湿クリームの使用量の目安は直径7mmくらいのパール粒1個分です。
べたつきが気になるからと使用量を控えるとお肌のうるおいを保つ効果が充分に得られませんので、適量を使いましょう。
こすらず手のひらでやさしく
こするように塗ると、ニキビをつぶしてしまったり、摩擦がお肌への刺激になります。
清潔な手のひらに保湿クリームをとり、顔の5ヵ所(額、左右の頬、鼻、顎)において、手でおさえるようにしてやさしくお肌になじませましょう。
オイルフリーの方がいいの?
保湿クリームでニキビができるのではないかと考えてしまう理由のひとつに、化粧品に配合される油分(油性成分)があるのではないでしょうか。
アクネケアのスキンケアには油分が入っていないジェルなどのオイルフリーのものがあります。
オイルフリーであることは、アクネ菌の栄養源になる油分が配合されていないため、ニキビ肌の方は選ぶときの参考にするとよいでしょう。
一方で、オイルフリーでないからといって、ニキビ肌の方に適さないわけではありません。
油分(油性成分)にはお肌からの水分の蒸発を防ぐ大切な役割があります。
ジェルはさっぱりとした使用感で気持ちがよいですが、水分の蒸発を防ぐ効果が弱く、保湿力は物足りません。
乾燥も気になるニキビ肌の方は「オイルフリー」にこだわらなくても大丈夫です。
ノンコメドジェニックテスト済みと記載があるものは、ニキビができにくいことを確認していますので、ニキビ肌の方は選ぶときの参考にしましょう。
さらに、ニキビ肌用に開発された化粧品のなかにはアクネ菌の栄養源にならない油性成分や保湿成分を選択しているものもあります。
どんな化粧品も必ずニキビができないとは言い切れません。
まずはサンプルやテスター、トライアルセットなどでお肌に合うかどうかを試してから使いはじめましょう。
お肌に合ったスキンケア化粧品を選んだら、正しいスキンケア方法をおこなって、ニキビができにくい肌環境にととのえていきましょう。
まとめ
ニキビ肌でも保湿は大切です。
でも使うもの・使い方が間違っていると、かえってニキビを悪化させてしまいます。
ニキビの原因にきちんと対処できる保湿クリームを選んで、ニキビができにくい肌環境にととのえていきましょう。