ニキビが気になるとき、良かれと思って使ったシカクリームでさらにニキビが悪化してしまった…
そのような方はいらっしゃいませんか?
実はニキビにいいといわれているシカクリームの中には、ニキビができやすいものもあるのです!
この記事では、シカクリームでニキビが悪化してしまう原因や、ニキビができにくいシカクリームの選び方からおすすめの商品まで、元化粧品メーカー研究員・薬剤師の筆者が徹底解説します。
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シカクリームでニキビが悪化する2つの理由
シカクリームでニキビが悪化する理由には、「商品そのもの」と「使い方」の大きく2つがあります。
理由1 ニキビができやすい成分が入っている
理由2 使い方が間違っている
理由1 ニキビができやすい成分が入っている
まずは商品そのものが理由の場合です。
化粧品に配合される成分の中にはニキビを悪化させてしまうものがあります。
ニキビができにくい人であれば、悪さをする成分ではありませんが、皮脂分泌が多い方は要注意。
ニキビ肌用のアクネケア化粧品であれば、このような点が考慮されていますが、すべてのシカクリームがニキビ肌用に作られているわけではありません(特に韓国コスメは要注意!)。
ニキビの原因は3つあります。
毛穴の詰まり
過剰な皮脂
アクネ菌
この3つの原因のうち、配合成分で確認すべきポイントは2つです。
・毛穴を詰まらせにくい
・アクネ菌の栄養源になりにくい
保湿クリームに配合される原料(成分)の中にはニキビを誘発するものがあります。
ニキビは「毛穴の詰まり」から始まります。
詰まった毛穴でニキビの原因菌である「アクネ菌(C. acnes)」が「過剰な皮脂」を栄養にして増殖します。アクネ菌が増えると、毛穴の中で炎症が起こり、ニキビが悪化してしまいます。
化粧品の成分の中にはアクネ菌の栄養源になってしまうものや、毛穴を詰まりやすくするものがあります。
このような成分が配合されているものを使うとニキビができやすくなってしまいます。
シカクリームに配合される成分の中には、毛穴を詰まらせる「コメド」の原因になるものがあります。
表は、コメドのできやすさ・できにくさを0〜3の4段階で調べた実験結果です。
数字が大きいほどコメドができやすい=ニキビになりやすいことを表します。
この結果から
コメド誘発能が高い=ニキビになりやすい成分
植物油(オレイン酸、スクアレン、アーモンド油など)
反対に
コメド誘発能が低い/ない=ニキビになりにくい成分
ワセリンやミネラルオイル、ポリエチレングリコールなど
ということができます。
ちなみに毛穴を詰まらせやすい「スクアレン」は皮脂の成分ですが、化粧品に配合されるのは「スクワラン」です。
こちらはコメド形成能は低いので問題はありません。
原料名 | コメド誘発能 0:なし、1:軽度、2:中等度、3:強度 |
オレイン酸 | 3 |
スクアレン | 3 |
アーモンド油 | 3 |
ココナッツ油 | 2 |
スクワラン | 1 |
白色ワセリン | 0 |
シリコンオイル | 0 |
ミネラルオイル | 0 |
グリセリン | 0 |
ポリエチレングリコール200 | 0 |
プロピレングリコール | 0 |
また保湿成分として汎用されるグリセリンはアクネ菌の栄養源になりやすいことが知られています。
一方で、ジグリセリン、ポリグリセリンにはそのような性質はありません。
気になる方はグリセリンフリーのクリームを選ぶのもよいですね。
理由2 使い方が間違っている
実は間違った使い方もニキビを悪化させる原因になります。
使う量が少なく、きちんと保湿できていないとニキビの原因になることもあります。
また摩擦刺激もニキビの悪化因子になります。
ニキビを悪化させないシカクリームの選び方 3つのポイント
きちんと選べば、シカクリームによるニキビの悪化は防ぐことができます。
ニキビを悪化させないシカクリームの選び方のポイントは3つあります。
ニキビを悪化させないシカクリームの選び方のポイント
- ニキビの元になりにくいノンコメドジェニックテスト済み
- ニキビの3つの原因に対処できる
- ニキビを防ぐ医薬部外品
この3つをクリアしているシカクリームはニキビができにくいと言えます。
それぞれ詳しくみていきましょう。
※すべての方に、にきびができないわけではありません。
ポイント1 ニキビの元になりにくいノンコメドジェニックテスト済み
ニキビケアのポイントはニキビのもとになりにくいノンコメドジェニックな化粧品を使うこと。
「コメド」とはニキビのもとのことです。
すなわち「ノンコメドジェニック=ニキビのもとになりにくい」ことを示します。
これを確認する試験である「ノンコメドジェニックテスト済み」と記載のある商品を選びましょう。
「ノンコメドジェニックテスト」は、実際にヒトの背中に化粧品を繰り返し塗って、ニキビのもと(コメド)ができないことを確認する試験です。
日本皮膚科学会による「尋常性ざ瘡治療ガイドライン」においてもニキビ肌の方が使う化粧品は「ノンコメドジェニック」であることが推奨されています。
ニキビが気になるときは「ノンコメドジェニックテスト済み」の化粧品を選びましょう。
ポイント2 ニキビの3つの原因に対処できる
ニキビの原因は「毛穴の詰まり」「アクネ菌」「過剰な皮脂」の3つ。
つまり裏を返すと、この3つの因子への対策をおこなえば、ニキビの悪化を防ぐことができます。
おすすめの成分をご紹介します。
毛穴の詰まり対策
角層を柔らかくして、毛穴の詰まりを取り除くピーリング作用を持つ成分として、A H AやB H Aがおすすめです。
B H Aの1つであるサリチル酸はアクネ菌に対する殺菌作用もあり、医薬部外品の有効成分としても配合されます。
毛穴の詰まり対策におすすめの成分
- グリコール酸、乳酸(AHA;α-ヒドロキシ酸、フルーツ酸)
- サリチル酸(BHA;β-ヒドロキシ酸)
アクネ菌対策
有効成分として殺菌成分や抗菌成分が配合されているものを選びましょう。
おすすめの殺菌・抗菌成分
- イソプロピルメチルフェノール
- サリチル酸(BHA;β-ヒドロキシ酸)
- 感光素201号
またアクネ菌による炎症を抑える抗炎症成分もチェックしておきましょう。
おすすめの抗炎症成分
- グリチルリチン酸2K
- グリチルレチン酸ステアリル
- アラントイン
- トラネキサム酸
過剰な皮脂対策
皮脂分泌を抑えるビタミンB類がおすすめです。
塩酸ピリドキシンは医薬部外品の有効成分としても使われます。
おすすめの成分
- ビタミンB6誘導体(塩酸ピリドキシン)
- ビタミンB2(リボフラビン)
パッケージの全成分表示を確認してみましょう。
ポイント3 ニキビを防ぐ薬用(医薬部外品)であること
ニキビを防ぐ効果は薬用(医薬部外品)にしか認められていません。
ノンコメドジェニックテスト済みのものだけでもニキビはできにくいと言えますが、今できているニキビに対処するなら薬用(医薬部外品)がおすすめです。
にきび肌向けに開発された保湿クリームは、「にきび肌用」「アクネケア」という名前がついていることが多いです。
ニキビ肌用の薬用保湿クリームには、前述のようなニキビの原因を考えた成分が医薬部外品の有効成分として配合され、ニキビを防いでくれます。
次のような成分が有効成分として配合されます。
サリチル酸
アラントイン
グリチルリチン酸2Kまたはグリチルレチン酸ステアリル
イソプロピルメチルフェノール
有効成分をそれぞれ見てみましょう。
サリチル酸
殺菌作用だけでなく、角層を柔らかくするピーリング効果があるので、毛穴の詰まりも予防してくれます。
アラントイン
ニキビの炎症を抑えるのでニキビの悪化を予防し、ニキビ跡になりにくくしてくれます。
イソプロピルメチルフェノール
殺菌作用があり、ニキビの原因菌対策になります。
ビタミンB6誘導体(塩酸ピリドキシン)
皮脂分泌抑制作用があります。
ニキビになりにくい!市販のおすすめシカクリーム
コーセー タイガレイド 薬用CICAリペア クリーム
ニキビにいいと言われているシカクリームですが、実はほとんどがノンコメドジェニックテストは行われておらず、医薬部外品でないものも多くあります。
このかゆいところに手が届いているのが、タイガレイドの薬用CICA リペア クリーム。
これを見つけた時は、本当に飛び上がって喜びました!
このクリームがすごいのは、CICA成分だけでなく、バリア機能を整えてくれるアミノ酸や細胞間脂質、スクワランもきちんと配合されているところ。
さらにワセリンやシア脂といった肌の表面で水分を閉じ込めてくれる役割を持つ成分も入っていて、しかもお肌への優しさも考えられています。
肌のことをわかっているなあという処方です。
これだけの機能があるのに、150g 税込1,980円だからまた驚き。
おすすめポイント
- シカクリームでも貴重なノンコメドジェニックテスト済み!
- ダブルの消炎成分と3つのツボクサエキスを配合
- プチプラでコスパがいい
容量 | 150g |
参考税込価格 | 1,980円 |
分類 | 医薬部外品 |
有効成分 | グリチルリチン酸ジカリウム アラントイン |
特長成分 | ・3つのツボクサエキス ・保湿成分 リピジュア®※1、DL-ピロリドンカルボン酸ナトリウム液、加水分解ヒアルロン酸、L-プロリン、L-セリン、L-メチオニン ・エモリエント成分 ワセリン、シア脂、コレステロール、シュガースクワラン |
ノンコメド ジェニック テスト※2 | ◯ |
その他の 安全性試験※3 | パッチテスト済み |
※1 2-メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン・メタクリル酸ブチル共重合体液
※2 すべての方に、ニキビができないわけではありません。
※3 すべての方に、皮膚刺激やアレルギーが起こらないわけではありません。
ラロッシュポゼ シカプラスト リペアクリーム B5+
60ヵ国以上のラ ロッシュ ポゼで世界売上No.1のシカ配合クリームが待望の日本処方でついに日本上陸!
これまで海外から取り寄せていた方も多いラロッシュポゼのシカクリーム。
海外処方では肌に合わなかった、という声もありましたが、日本人の敏感肌向けの処方に変更して開発。
シアバター配合で、しっとり感のあるこっくりテクスチャーなのに、体温でとろけるバーム感覚のクリームです。
もちろんノンコメドジェニックテスト済みなので、乾燥もニキビも気になる方にもおすすめです。
おすすめポイント
- 独自のダーマCICAテクノロジー*3採用で肌をおだやかに整える
- 保湿・整肌成分パンテノールB5配合。うるおいも与えながら肌を健やかに保つ
- 日本処方 独自配合成分ビサボロール配合。不安定な肌*1をおだやかに整える
容量 | 40mL |
参考税込価格 | 2,970円 |
分類 | 化粧品 |
有効成分 | ー |
特長成分 | ・ツボクサ葉エキス、マデカッソシド ・保湿・整肌成分 パンテノール、ビサボロール α-グルカンオリゴサッカリド、乳酸桿菌、ポリム⼆アソンチホリア根汁、マンノース |
ノンコメド ジェニック テスト※1 | ◯ |
その他の 安全性試験 | 日本人の肌でテスト済み※2 皮膚科医の協力のもとテスト済み※2 アレルギーテスト済み※3 |
※1 すべての方に、ニキビができないわけではありません。
※2 すべての方に、肌トラブルが起こらないわけではありません
※3 アレルギーが起こらないわけではありません。
そもそも「シカクリーム」って何?
シカクリームの「シカ」とは「ツボクサ」のこと。
動物の鹿と勘違いされることがありますが、鹿とはまったく関係はありません。
ツボクサの学名が「センテラ・アジアチカ(Centella asiatica)」ということから、略して「シカ(Cica)」と呼ばれています。別名「タイガーハーブ」「ブラーミ」「ブラフミ」「ゴツコーラ」とも呼ばれます。
このツボクサ、昔からインドの伝統的医学であるアーユルヴェーダでは、万能な薬草として最も重要なハーブのひとつとされており、傷、腫瘍、やけど治療に用いられてきました。
最近ではWHO(世界保健機関)が「21世紀の驚異的薬草」であり「保護すべき重要な薬用植物」と発表した事から注目を集めています。
野生のトラが怪我をした時にツボクサを体にこすりつける様子を見て、その効能が知られたという伝説もあるそうで、これが「タイガーハーブ」と呼ばれる所以だとか。虎のアイコンをCICA(シカ)シリーズに使用しているブランドもあるのはこういう理由があったのですね。
ツボクサエキスには、抗炎症作用、抗酸化作用、抗糖化作用、美白作用などがあり肌トラブルが気になるエイジングケア、ニキビケア、敏感肌用化粧品に配合されています。
エイジングケア:年齢に合わせたお手入れのこと
ツボクサエキスの効果・効能
・抗炎症作用(肌荒れ予防)
・抗酸化作用(エイジングケア)
・抗糖化(エイジングケア)
・美白作用
・セラミド分解酵素(セラミダーゼ)抑制作用(バリア機能改善)
・コラーゲン合成促進作用(ハリ・弾力感)
シカクリームはこの「シカ」つまりツボクサから抽出した成分「ツボクサエキス」が配合されているクリームのことをいいます。
ツボクサエキスには主に4つの機能性成分があり、このうち抗炎症やターンオーバーに関わる成分が「アジアチコシド」「マデカッソシド」という配糖体です。そのほか「アシアチン酸」「マデカシン酸」もツボクサエキスに含まれます。
最近ではツボクサエキスが配合されていなくても「シカクリーム」と名がついているものもありますが、CICA(シカ)スキンケアを選ぶときは、配合成分に「ツボクサエキス」または「アジアチコシド」「マデカッソシド」などの成分名が入っているか必ず確認しましょう。
CICA成分:ツボクサエキス(アシアチコシド、マデカッソシド、マデカシン酸、アシアチン酸)
まとめ
シカクリームでニキビが悪化する理由は
理由1 ニキビができやすい成分が入っている
理由2 使い方が間違っている
の2つです。
この理由を加味して、ニキビができにくいシカクリームを選んで気持ちよくスキンケアをしてみましょう。