ニキビ肌

コハク酸はニキビに効く?肌への効果まとめ

グリコール酸、乳酸と同じAHA(α-ヒドロキシ酸)の仲間として知られるコハク酸(succinic acid)のフルーツ酸のイメージ画像。コハク酸の肌への効果をまとめて勉強するノートが置いてある。

最近密かに話題になっているコハク酸。

海外ではすでに人気急上昇の成分です。

そんなコハク酸、従来のピーリング作用以外にもニキビの原因菌であるアクネ菌に対する効果がわかってきました。

この記事では、ニキビケアにおすすめの成分「コハク酸」について、元化粧品メーカー研究員・薬剤師の筆者が徹底解説します。

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コハク酸の肌への3つの効果

肌に効果があるコハク酸(succinic acid)を配合した美容液のイメージ画像。ピーリング効果やアクネ菌の殺菌効果でニキビ、毛穴などに効果があり、美肌に導く。

コハク酸は、動植物界に広く含まれている有機酸で、天然では琥珀に含まれています。

有機酸というと難しく聞こえますが、「フルーツ酸(AHA)」の一種というと化粧品で聞いたことがあるという方も多いでしょう。

コハク酸の肌への効果は大きく3つあります。

コハク酸の肌への3つの効果

  • ピーリング効果
  • 肌を引き締める収れん効果
  • アクネ菌の増殖を抑える効果

1. ピーリング効果

肌に効果があるコハク酸(succinic acid)を配合したピーリング美容液のイメージ画像。ピーリング効果やアクネ菌の殺菌効果でニキビ、毛穴などに効果があり、美肌に導く。

コハク酸はフルーツ酸の一種です。

AHA(α-ヒドロキシ酸)とも呼ばれます。

AHA(α-ヒドロキシ酸)は主にピーリング効果を期待して化粧品に配合されている酸成分。

果物にも含まれているため、「フルーツ酸」ともよばれます。

化粧品で使われる「ピーリング成分」であるAHAは、酸によって角層をやわらかくし、余分な角質をはがれやすい状態にします。

余分な角層を取り除くことで、毛穴の詰まりが解消され、ニキビを防ぐ効果が期待できます。

AHAはいくつかの成分があり、成分によって分子の大きさや刺激、肌への効果が異なります。

一般的に分子の大きさ(分子量)が小さいほど皮膚へ浸透しやすく、皮膚の深いところで作用するため高いピーリング効果が期待できますが、そのぶん刺激が強くなる傾向があります。

AHA、フルーツ酸の種類と分子量、ピーリング効果の高さと肌への刺激の高さをまとめた一覧表。
グリコール酸は分子量が最も小さく、ピーリング効果は高いが肌へに刺激も高い、リンゴ酸やクエン酸は分子量が大きいため肌の刺激も弱いが、ピーリング効果も高くない。コハク酸はピーリング効果と肌への刺激のバランスが取れた成分。

最も代表的なAHAであるグリコール酸は美容皮膚科などのクリニックではケミカルピーリングの薬剤としても使われます。

一方でグリコール酸は効果が高い反面、皮膚刺激性も高く成分です。

配合濃度によっては劇物となり、化粧品として用いるには安全性面で懸念があります。

それならばリンゴ酸やクエン酸を使えばいいと思われるかもしれませんが、これらはピーリング効果はあまり高くありません。

一方、コハク酸は肌への浸透性、効果の面と皮膚刺激性の面でバランスがとれた成分です。

家でも手軽に効果の高いお手入れをしたいというホームピーリングに向いた成分と言えるでしょう。

2. 肌を引き締める収れん効果

肌に効果があるコハク酸(succinic acid)の原料のイメージ画像。ピーリング効果やアクネ菌の殺菌効果でニキビ、毛穴などに効果があり、美肌に導く成分。

コハク酸には収れん作用もあります。

収れん作用とは、肌を引き締めたり、発汗をおさえる作用です。

皮脂線や汗腺の開口部のタンパク質に結合し、毛穴を収縮される効果があります。

毛穴の開きが気になるというニキビ肌の方にもおすすめの成分です。

3. アクネ菌の増殖を抑える効果

コハク酸の3つ目の効果はアクネ菌(C. acnes)に対する効果です。

アクネ菌はニキビの原因菌と言われています。

コハク酸は私たちの肌に元々ある成分で、通称「美肌菌」と呼ばれる表皮ブドウ球菌(S. epidermidis)が皮膚上のグリセリンを発酵させて作り出されます。

この美肌菌によって作られたコハク酸がアクネ菌の増殖を抑制していることが近年明らかにされました(参考文献1-3)。

参考文献
1. Wang Y, Kuo S, Shu M, Yu J, Huang S, Dai A, Two A, Gallo RL, Huang CM. Applied Microbiology and Biotechnology., 98, 411‒24 (2014)
2. Christensen GJM, Scholz CFP, Enghild J, Rohde H, Kilian M, Thürmer A, Brzuszkiewicz E, Lomholt HB, Brüggemann H. BMC Genomics., 17,152 (2016)
3. Wang Y, Kao MS, Yu J, Huang S, Marito S, Gallo RL, Huang CM. International Journal of Molecular Sciences., 17,1870 (2016)

ニキビケアにコハク酸がおすすめの理由

ニキビケアにコハク酸がおすすめなのは、先に紹介した肌への効果すべてがニキビケアに関わってくるからです。

ニキビの原因は「毛穴の詰まり」「アクネ菌」「過剰な皮脂」の3つ。

つまり裏を返すと、この3つの因子への対策をおこなえば、ニキビの悪化を防ぐことができます。

合わせて読みたい

ニキビ肌のためのコハク酸配合スキンケアの選び方 3つのポイント

ニキビにいいと言われているコハク酸ですが、いざ使ってみようと思うと、ニキビやニキビ跡が悪化しないか心配、という方も多くいらっしゃいます。

実はスキンケアによってはかえってニキビを悪化させてしまうことも。

でもコハク酸はニキビにとってメリットがたくさんあるので、うまく取り入れたいですよね。

ニキビを悪化させないコハク酸配合スキンケアの選び方のポイントは3つあります。

ニキビを悪化させないコハク酸配合スキンケアの選び方のポイント

  • ニキビの元になりにくいノンコメドジェニックテスト済み
  • ニキビの3つの原因に対処できる
  • ニキビを防ぐ医薬部外品

この3つをクリアしているスキンケア製品がおすすめです。

※すべての方に、にきびができないわけではありません。

ニキビ肌におすすめのコハク酸スキンケア

最近ようやく日本でもコハク酸配合商品が登場しています。

中でも11年ぶりにリニューアルしたという資生堂のdプログラムの部分用美容液はニキビケアに特化した処方組みです。

dプログラム 薬用 アクネケア美容液
(医薬部外品)15g 2,750円

スポッツケアとして普段のお手入れに追加するだけの切り替えやすさも魅力。

もちろんニキビの元になりにくいことを確認したノンコメドジェニックテスト済みなので、ニキビ肌の方も安心して使えます。

  • 美容成分コハク酸GL※1配合
  • 2種の薬用有効成分(トラネキサム酸、グリチルリチン酸ジカリウム)配合で、肌荒れ・ニキビを防ぎます
  • オイルフリー
  • ニキビのもとになりにくい処方※2
  • アレルギーテスト済み※3
  • 敏感肌の方のご協力によるパッチテスト済み※3
  • スティンギングテスト済み※3
  • 無香料、無着色、弱酸性、低刺激設計

※1 コハク酸、グリセリン/保湿
※2 すべての方にニキビができないわけではありません
※3 すべての方にアレルギーや皮膚刺激が起きないわけではありません

まとめ

海外で人気が上昇しているコハク酸は、ニキビの原因となるアクネ菌の増殖を抑えながら、毛穴の詰まりとなる余分な皮脂や角質をオフするマイルドピーリング作用でニキビができにくい肌に整えてくれる成分です。

その効果からニキビケアにぜひ取り入れてみたいところ。

ニキビケアに特化して処方組みがされているdプログラムのスポッツケアがおすすめ。

部分用なので、いつものスキンケアにプラス一品するだけでOK。

注目の成分を手軽に取り入れられますね。

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  • この記事を書いた人

コスメ管理人

元化粧品メーカー研究員、現役薬剤師| 日本化粧品検定特級コスメコンシェルジュ|日本コスメティック協会 コスメマイスター&スキンケアマイスター|日本フェムテック協会 認定フェムテックエクスパート |10年以上化粧品開発に携わった経験から、本当に肌に良い化粧品についてお伝えします。

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