日焼け止め

日焼け止めスプレーとクリームどっちがいい?その理由と使い分けを解説

日焼け止めスプレーとクリームどっちがいい?その理由と使い分けを解説

最近人気の日焼け止めスプレー。

クリームとどちらを選んだらいいか迷ったことはありませんか?

結論から言うとクリームの方がおすすめです。

それはなぜなのか、それぞれの特長を知って、上手に使い分けましょう。

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メインはクリーム、サブにスプレー

日焼け止めスプレーとクリーム、どっちがいいか?

いきなり結論から言うと、断然クリームです。

その理由は、

・U Vカット効果
・紫外線防御成分の選択肢が豊富

あたりが一番のポイントになるのですが、それはこの後解説します。

もちろんスプレーにもメリットがあります。
ですので、クリームをメインに、スプレーはサブ的に組み合わせて使うのがおすすめです。

では詳しく見ていきましょう!

日焼け止めの種類と機能を知ろう

日焼け止めにはクリーム、スプレーの他にもいくつかの種類があります。

それぞれの特徴をまとめます。

クリームタイプ
紫外線吸収剤や紫外線散乱剤を多量に配合することができ、紫外線を防止する効果が高いものが多いです。しっとりとなめらかなテクスチャーで乾燥感を感じにくいことも特長です。化粧下地としても使うことができます。汗や水に強いウォータープルーフ性をもたせたものもタイプもあります。

スプレータイプ
塗布しやすくさっぱりとした感触です。紫外線吸収剤が配合されている場合が多いです。商品に表示されている遮光効果を発揮するためには大量にスプレーしなければいけません。塗り直しのときに便利ですが、吸い込んだり目に入らないように注意しましょう。

ジェルタイプ
みずみずしく、さっぱりとした感触です。軽いテクスチャのため、ボディ用としても使いやすく人気があります。紫外線吸収剤が配合されている場合が多いです。ウォータープルーフ性(耐水性)は低めです。

ローションタイプ
使用直前に振ることによって紫外線散乱剤を均一に混ぜてから使用します。さっぱりした感触でのびが良く塗りやすいのが特長です。汗や水に強いウォータープルーフ性をもたせたものも多くありま

スティックタイプ
直接お肌に塗るので密着性が高いです。紫外線散乱剤以外にも顔料を多量に配合することができますので、顔用に肌色のファンデーションとして使用できるものもあります。

その他
日中用美容液や化粧下地(メイクアップベース)、ファンデーション、フェイスパウダーなどのメイクアップ化粧品にも遮光効果があります。日焼け止めと合わせて活用しましょう。

メインの日焼け止めにスプレーをおすすめしない3つの理由

日焼け止めスプレーの図

メインの日焼け止めにスプレータイプをおすすめしないのは次の3つの理由です。

メインの日焼け止めにスプレーをおすすめしない3つの理由
理由1 U Vカット効果が低くなりがち
理由2 紫外線吸収剤が配合されている
理由3 ゴミとして捨てづらい

理由1 U Vカット効果が低くなりがち

日焼け止めスプレーは「S P F50+・P A++++」と高い数値のものが多いですよね。

でも普通に塗ってもこの数値は期待できません。

なぜなのでしょうか?

日焼け止めには紫外線(U V)カット効果を表す指標である「SPF」「PA」が表示されています。

日焼け止めクリームや日焼け止めスプレー、ジェルタイプ、ローションなどに表示されるuv カット(サンカット)効果の指標である「SPF」「PA」について解説した図。SPFはUVB防御効果の指標。〜50+まで。PAはUVA防御効果の指標。PA+~PA++++で表される。

SPF(Sun Protection Factor)
UVBカット効果を数値で表したもの。1から50までの数値で大きいほどUVB波を防ぐ効果が高い。50を超えるものは50+と表す。

PA(Protection grade of UV-A)
UVAカット効果を+~++++の4段階で表したもの。+が多いほどUVA波を防ぐ効果が高い。

実はこのS P FとP Aの数値は2mg/cm2を塗ったときの値なのです。

したがって、この2mg/cm2の規定量を塗らないと期待されたSPF、PA値は出ないため、日焼け止めを塗っているのに焼けてしまう、というようなことが起こるのです。

この規定量2mg/cm2はどのくらいの量かというと、

顔に使う場合、顔の平均的な面積は400cm2なので計算してみると、

2mg/cm2×400cm2=800mg

ということで800mg、つまり0.8gが適正使用量ということになります。

実際にこの規定量をきちんと塗れている方というのは少ないのが現状です。
さらに日焼け止めスプレーでこの量を塗るとお肌はびちゃびちゃになるでしょう。

したがって、高いU Vカット効果を期待して日焼け止めスプレーを使うのは避けた方が良いでしょう。

「SPF・PAと使用量の関係について」詳しくはこちら|コスメの処方箋

理由2 紫外線吸収剤が配合されている

敏感肌の方や、日焼け止めが合わないことが多いと言う方にはスプレータイプはおすすめしません。

日焼け止めスプレーには基本的に紫外線吸収剤が配合されています

紫外線を防ぐ成分には紫外線「散乱剤」と紫外線「吸収剤」があります。

日焼け止めに配合される紫外線防御成分の種類

紫外線吸収剤
紫外線のエネルギーを化合物内に吸収しエネルギー変換することで皮膚への紫外線の影響を減らします。そのメカニズムから「ケミカル」とも呼ばれます。

紫外線散乱剤
物理的に紫外線を反射することで、皮膚への紫外線の影響を減らします。
イメージで言うと、肌の上に鏡が乗っているような感じです。紫外線吸収剤のケミカルに対して「ノンケミカル」と呼ばれます。
紫外線散乱剤は主に粉体です。

紫外線「吸収剤」と「散乱剤」の違いはその紫外線からお肌を守ってくれるメカニズムです。

紫外線散乱剤と紫外線吸収剤の違い

種類紫外線散乱剤(ノンケミカル)紫外線吸収剤(ケミカル)
紫外線を防ぐ
しくみ
粉体表面で
紫外線を反射・散乱
紫外線を吸収し
熱などのエネルギーに変換
代表的な成分・酸化チタン
・酸化亜鉛
・メトキシケイヒ酸エチルヘキシル
・パラアミノ安息香酸
使用感白浮きすることがあるため
処方的工夫が必要
透明性が高く白浮きしにくい
皮膚刺激性物質の成分的変化はなく、
刺激を起こしにくい
反応性が高い成分で
まれに皮膚刺激を感じることがある

紫外線吸収剤は場合によってはお肌に合わないこともありますので、お肌が敏感な方は紫外線吸収剤不使用(フリー)のノンケミカルの日焼け止めがおすすめです。

でもスプレータイプの日焼け止めには紫外線吸収剤フリー(ノンケミカル)のものはほとんどありません。

その理由は、スプレーに詰まるためです。

散乱剤」は粉体成分であるためスプレーの口元に目詰まりしやすいのです。

ですので、スプレータイプの日焼け止めには吸収剤が配合されており、紫外線吸収剤フリーのものはほとんどありません。

またスプレーは吸い込む危険もありますので、塗布時は周りに注意しましょう。

「紫外線吸収剤はお肌に悪い?」詳しくはこちら|コスメの処方箋

理由3 ゴミとして捨てづらい

日焼け止めは1シーズンで使い切っていますか?

衛生面からも、日差しの強い夏を過ぎて使い切れなかった日焼け止めは、来年までとっておくのはやめましょう。

クリームタイプなどのチューブ容器は廃棄しやすいですが、スプレータイプはエアゾール製品ですので、プラスチックゴミとしては廃棄できません。

以下のことに注意しましょう。

・スプレーの中身を使い切る
・スプレー缶を各自治体に従って捨てる

エアゾール製品を使用・保管・廃棄する時に注意することは?(花王)

ヘアスプレーや制汗剤など使いきれなかったスプレー缶を捨てるのが億劫と言うタイプの方(私もそうです)は、日焼け止めスプレーはおすすめしません。

日焼け止めスプレーとクリームの使い方

これまでお話した理由から、メインの日焼け止めとしてスプレーはおすすめしません。

日焼け止めで一番大切なのは、U Vカット効果です。

クリームに限らず、ジェル、ミルク(乳液)、ローションタイプは規定量が守りやすい剤型です。

規定量をきちんと塗って初めて、商品記載のS P F、P A値が発揮されます。

日焼け止めクリームの正しい使い方

日焼け止めの効果を発揮させるためには使用量をまもることが大切です。

S P F・P Aはそれぞれ規定量として「2mg/cm2」を塗布した時の値です。

日焼け止めの使用量が少ないと期待される効果が発揮されませんので、注意しましょう。

クリームタイプ、ジェルタイプ、ローションタイプの日焼け止めについて、顔に使用する場合の目安は以下のようになります。

日焼け止めの使用量(2mg/cm2)の目安(顔の場合)の図。ジェル、クリームタイプの日焼け止めはパール粒大×2個分、ローションタイプの日焼け止めは100円硬貨大×2個分が使用量の目安。

これらのメインの日焼け止めをきちんと塗って、スプレーを活躍させましょう。

「S P F・P Aと使用量の関係について」詳しくはこちら|コスメの処方箋

日焼け止めスプレーのおすすめの使い方

日焼け止めスプレーのサブ的なおすすめの使い方をご紹介します。

・手が届きにくい部分に使う
スプレータイプは、背中など手が届きにくい部分に塗るのにぴったりです。
逆さでも使えるかどうか確認しておくと良いですね。

・髪の毛に使う
紫外線はヘアダメージにもつながります。
ベタつかず、白くなりにくい吸収剤が配合されたスプレータイプは、髪のU V対策におすすめです。

・ストッキングの上から使う
これもスプレータイプだからこそのメリット。
足に塗り忘れてしまったと言うときも、スプレータイプなら白くならず、ストッキングを履いたままでも使えます。

・メイクの仕上げとして使う
スプレータイプの中には、化粧塗膜を強くしてくれるような成分が入っているものもあります。ウォータープルーフ効果や、花粉やPM2.5などの外的刺激からお肌を保護する効果が付与できます。
塗り直しや化粧直しの時にも使えます。

このように日焼け止めクリームに加えて、スプレーも一本持っておくと便利ですね。

スプレータイプなら今年は断然アネッサがおすすめです。

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まとめ

いかがでしたか?さまざまな種類がある日焼け止め。スプレータイプはメインの日焼け止めとしては少し弱いですが、クリームなどと併用するととても便利ですよ。さらに日傘や帽子、長袖など物理的な防御も取り入れるとさらに効果的です。ご自身に合ったU V対策で紫外線からきちんとお肌を守りましょう。

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  • この記事を書いた人

コスメ管理人

元化粧品メーカー研究員、現役薬剤師| 日本化粧品検定1級2級|日本コスメティック協会 コスメマイスター&スキンケアマイスター|日本フェムテック協会 認定フェムテックエクスパート |10年以上化粧品開発に携わった経験から、本当に肌に良い化粧品についてお伝えします。

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